医療法人社団養高会
きたとの駅前クリニック
TEL:0265-72-4043
動脈硬化

動脈硬化とは
動脈硬化症とは、「動脈がかたくなる」ことをいいます。動脈が硬くなると、しなやかさが失われて血液をうまく送り出すことができないため、心臓に負担がかかります。また、動脈が硬くなると血管の内側がもろくなるため粥腫(アテローマ)ができます。そのため血管の中が狭くなって閉塞し(梗塞症)たり、粥腫の一部がはがれて血液中をただようことで末梢の細い血管を詰まらせます(塞栓症)。
また血管の内側がせまくなることで必要な栄養や酸素がいきわたらず、組織や臓器が正しく機能しなくなります。さらに血管が閉塞すると脳や心臓といった重要な臓器に血液が流れず、組織が死んでしまう壊死してしまいます。また硬くなることで、血管はもろく破れやすくなります(出血症)。

動脈硬化症が進行すると
動脈硬化症が進行すると、心臓に大きな負担がかかることで高血圧、高血圧性心疾患(心肥大)、心不全などへ移行します。また、血管が詰まったり狭くなることで、狭心症、脳梗塞、腸間膜閉塞症、心筋梗塞、下肢閉塞性動脈硬化症などを引き起こします。また血管が破れると、脳内出血、クモ膜下出血の危険もあります。このように様々な症状を引き起こす動脈硬化症ですが、恐るべきは「症状が出にくい」ことです。心筋梗塞は心臓が栄養とする冠動脈が狭くなり心臓に血液が行かなくなることで、最悪の場合は心臓が停止・痙攣します。
しかしこの冠動脈が75%程度狭くなっていても、目立った自覚症状は多くの場合ありません。そのため、自覚症状に気付いた時にはすでに重症化している人も多数おり、それが動脈硬化症が「沈黙の殺し屋」といわれる所以なのです。予防には日頃から血管の状態をチェックすることが大切です。

動脈硬化の危険因子
加齢とともに動脈硬化は進行します。動脈硬化の危険因子としては従来から高血圧、脂質異常症、喫煙、糖尿病の4大危険因子のほか、運動不足、肥満などが挙げられています。さらに50歳未満の若年発症の心血管疾患では家族歴、高尿酸血症、ストレス、男性(女性は閉経後)なども危険因子といわれています。こういった危険因子をきちんと管理・診断することが大切です。